<大腸の内視鏡検査体験記(2005年6月)>


このページは、あくまでも真面目な内容です。
ですんで、若干表現が硬くなっていることをご了承願います。

昨年、人間ドックで便潜血反応が出たため、大腸の精密検査を勧められた。
しかし、大腸の精密検査には、バリウムを注入する注腸検査と、ファイバーで直接見る内視鏡検査とあり、どちらをするにしても、それは恐ろしいものである。
あまりに恐ろしいので次の人間ドックまでほっとこうかと思ったのだが、せっかく時間があるこの時期なので、より精度の高い内視鏡検査を受けてみることにした。実は、検査方法を調べているうちに、興味が湧いてきたというのが本当のところ。
決めたはいいが、申込方法がよくわからない。まずは、近場でいい専門医がいそうな病院を探すことから始まった。
病院はやっぱり近いところがいい。なぜなら、検査前の諸々の準備をした後、病院にたどり着くまでが不安だからだ。

6月14日(検査の前々日)
そして意を決して病院へ。医者から検査方法について、いろいろ話を聞いた。
最近では検査を受ける人への負担を考え、軽い麻酔をする等して、なるべく検査の苦痛を軽減する措置が取られることが多いらしい。
あんまりつらいと、「もう二度と受けない」と思われるのが問題と認識されているようだ。
内視鏡検査で一番大変なのは、検査を受ける状態までもっていくところ、とのこと。
要は、大腸の中に余分なものが残っていないように、綺麗にするのだ。

そして検査日は、明後日に決定した。

その後、看護婦さんから注意事項(食事制限や下剤の飲み方等)の説明を受ける。
看護婦さんによると、過去の事例では、エリンギ、葉っぱ、トマトの皮、ゴマなどが残留していたそうな。
と、注意を聞いていたにもかかわらず、この日は結局、うちにあったひじきやわかめの味噌汁をよ〜く噛んで食べちまった。

6月15日(検査の前日)
海草、きのこ、野菜等、繊維のあるものは食べてはいけない。牛乳等の乳製品もだめ。
そこで考えた末、昼は素うどんとえびシュウマイ、夜は玉子と豆腐を入れ味噌で味付けしたおじやを食べた。
それから、なるべく朝から水を飲めというので、スポーツドリンク、コーヒー、お茶、紅茶などを、ほとんど間を空けることなく飲んでみた。
従って、尿が出る出る。便も3回出ました。(水分だけで、こんなに効果があるとは・・・)
夜は、言いつけどおり、食後30分でラキソセリンを飲む。
ラキソセリンとは下剤である。効果が7〜12時間後に現れるらしい。

6月16日(検査当日)
★自宅にて★

マグコロールPという下剤1.8Lを飲む。これは白い粉で渡されるのだが、自分で水で溶かして作るのだ。これを200mlずつ、1時間かけて飲む。
味はスポーツドリンクのような感じで、結構おいしいみたいだけど、下剤という先入観があるからか、どうも不気味である。
しかし、思っていたよりは楽勝。暑い日ならもっと楽だろうなと思う。
次第に、大腸がきれいに洗い流されていくのを実感。しかし、小さくなったひじきみたいなもんが、いつまでも残る。

時間になって病院へいざ出発。


★病院内・点滴室にて★

今日は自分のほかに朴さんという人も受けることになっているらしかった。
ちなみに看護婦さん同士の会話では「ぱくちゃん、ぱくちゃん」と呼ばれていた。

さて、検査は順番で、ぱくちゃんの方が先であった。
後ろに穴の開いた紙でできた変なパンツと、検査着に着替え、まずは浣腸(や〜ねぇ)。
ちなみに、浣腸された後の排泄物は流さずに、看護婦さんに状態を見てもらうのさ。
まあ、ほとんど透明な水できれいなもんです。
私は点滴を受けながら、ベッドで横になって1時間ぐらいずーっと待たされることになった。
・・・ああ、まな板の上の鯉の気分。

途中で、救急車が病院に来た。ここの病院は救急医療もやっている。
看護婦さんたちが、「救急車来た、救急車来た。」と動き始めた。おお、ERの世界か?


★病院内・検査室にて★

ようやく呼ばれ、エレベータに乗って検査室へ移動する。検査台に横になって準備万端。あとは先生を待つのみ。
ところが担当の先生がなかなか来ない。どうやら救急車で運ばれた外来の対応に、急遽呼ばれたらしい。

ところでこの間、看護婦さんから聞いた話によると、年取った人、特に女性は腸が長いので、検査に時間がかかるのだそうだ。
昔の人は消化の悪いものを食べていたため腸が長く、最近の人は食生活の変化により、腸が短くなってきてるんだと。
それから内視鏡のファイバーは長さに限りがあるので、大腸を折りたたみながら奥に入れるそうな(意味がよくわからないけど)。
また最近、便潜血検査がさかんに行われてきているため、このファイバーの検査をする人が増えているとか。

そんな話をしているうち尿意をもよおしてきて(点滴受けてるからさぁ、しょうがないんだよ)、もうすぐ先生が来るというときに、お願いしてトイレに駆け込んだ。
トイレに行くのと入れ替えで、先生がやってきた。今度はしばし、先生を待たせることになった。

そうこうして、やっと検査が始められる体制になった。
点滴の中に鎮静剤を入れられ、ボーっとしてきた。ここで寝る人も多いらしいが、私は意地でも寝たくなかった。
どうしてもモニターを見ていたかったのだ。自分でいうのも何ですが、なかなかきれいな大腸でございました。
検査自体は15分ぐらいで終了。
検査直後先生に聞いたら、「ポリープも何もないですよ。直腸の粘膜が少し弱いみたいだから、それで潜血反応がでたんじゃないか。」とのことであった。
ここで私は「直腸って?」と質問。「出口の方です。」だそうだ。詳しいことは後日お話を伺う。
「今説明してもわかんないだろうから。(ボーっとしてるから)」という声が聞こえてきたぞ。


★病院内・再び点滴室にて★

検査室から台に載せられたまま、再び点滴室へ移動。こんな体験初めて。ERの急患になったような気分だ。
終わった!点滴が終わるまで、後はゆっくり寝てれば良い。そして安心して1時間ほど寝ておりました。

以上が、大腸の内視鏡検査・初体験の全てでごさいます。
これができたら、もう怖いものなし、と言えるかな。


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